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  • 2021/09/19【東京総本局】栗田千津子の『Let’s人生会議』vol.48 薬剤師の未来~防災編~ ゲスト:株式会社実務薬学総合研究所 代表取締役 水 八寿裕さん

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    栗田千津子
    『Let’s人生会議』vol.48

    「薬剤師の未来~防災編~」  
    9月は防災月間!
    そこで今回は防災医療に関して薬剤師の関わりについ て
    水 八寿裕さんをお迎えして、災害医療のついてお聞きしています。  

    1)水さんが何故災害医療に関わるようになったのか、
    そのきっかけ があれば簡単に紹介していただければと思います。 


    ありがとうございます。

    そもそものきっかけは 1995 年の阪神淡路大震災です。

    タイミング 的に大学院の修士論文がほぼ完成に近づいた ところでした。
    薬剤師免許は持っていたので 何かやれることは無いかと考えていましたが、そこまで行動力は無くTVをずっと当時の 長 田地区の大火災を見続けていただけでした。

    非常に無力感を感じま したね。
    その後なんとか大学院を修了したのですが、
    その卒業式の 当日に地下鉄サリン事件が起きました。
    武道館で行われたのですが、その会場入りのタイミングが早ければ自分も被害にあっていた可能性もあり、これも一つの災害であるということを痛感した事件でした。 

    その後無力感を感じながらも実際に自分自身が行動を起こしたのが 10 年前の東日本大震災の時です。
    特に自身の故郷でもある福島が原 子力災害も含めてかなり大変なことになって いるという事象に直面 して、今何かできなければ一生後悔するだろう?という漠然とした 思いはありましたね。

    過去の勤務先でお世話になった方を頼って連絡。
    まず福島県いわき市 の薬剤師会の長谷川さんを紹介いただき、 直接電話をして支援の約束をさせていただきました。
    その後郡山市の支援のリクエストがあって、そこへも直接連絡をして仲間と一緒に 乗り込んだというわけです。 

    2)一般のリスナーさんに対して災害に備えて準備しておきたいこと、
    備蓄しておくもの、 薬や薬手帳も含めて。

    そうですね
    お薬カレンダーというものを私も含めて 3人の薬剤師で案を作って毎年発行していますが、 その中でも災害に対する対応のようなパート は私が主に担当しています。



     
     

    カレンダーは患者さんを含めて一般の方に見ていただくことを前提としているので、なんとか薬剤師がこんな思いをこめて災害対応をしているのですよ というメッセージを 伝えています。

    その一番のツールは「お薬手帳」であって、診察券 とか保険証を持っていても避難所や災害 現場では何の役にも立たない。
    お薬手帳か飲んでいる薬の現物があればなんとか今飲んでいる ものを再現することは可能かと思います。
    この時の薬剤師の業務っ て何かを復元させ るような修復師のような意味合いが強く、かなり 経験と勘というかそういうものが重要に なっていますね。

    お薬を持ち出すことができなかった お薬手帳は家に置いてきたとい う方もしっかり飲 んでいる薬の痕跡を教えてもらって再現するので す。
    これは医師も看護師にも出来ない薬剤師固有の能力だと思います。

    それはさておき、ぜひ今のコロナ時代で避難の際に持ってきてほしい 3 つが 
    1)マスク(家族全員分) 
    2)体温計(家族全員分) 
    3)消毒剤(あるだけ)
     
    避難所にはそこまで潤沢に物資があるわけではありません。
    また発熱者体調の悪い方へ の対応ができるような別室なども用意することは少々難しいでしょう 

    避難が長引く可能性のある時は 
    4)お薬手帳 
    5)普段飲んでいる薬 1 週間分 
    6)救急箱 


    これがあると安心できそうですね。
    慣れない避難所での生活ではいろいろなアクシデント が発生する可能性があります。
    救急箱にはそ の時に安心して対応できるものを準備して欲 しいです。
    是非知り合 いの薬剤師に相談して、事前に準備したり、使用期限のチェックを し てもらって随時最新のものへ交換しましょう。 

    3)薬剤師として災害に備えて今できること、また未来に向けて今から できること。
    情報の整理なども含めて。 

    薬剤師としてできることはたくさんあります。
    今かなり大変なのは 多くの後発医薬品の出荷調整で必要な医薬品の流通が滞り、入手困難 なものが増えてきました。
    これって災害時の医薬品の流通と一致 していますね。

    できる限り 普及率の高いモノを取り扱う。
    医薬品卸 とのお付き合いを普段から複数社で対応する。
    災害時の医薬品給付 の取り決めを事前に地域の医療機関と決めておくなどです。
     

    災害は起きてから対応すると すべて後手に回ってしまい、自身の生 活も、職場の復旧もすべて予定通りには元に戻らないことが多いです。
    そのためにも事前に被害を想定し、備えて おくことが重要で す。 

    水 八寿裕(みず やすひろ)さんのプロフィール 
    所属 株式会社実務薬学総合研究所 代表取締役 
    学校法人武蔵野大学薬学部 臨床薬学センター 講師 
    一般社団法人埼玉県薬剤師会 災害対策委員会委員 
    陸上自衛隊さいたま地方協力本部 予備自衛官(三等陸佐) 薬剤師。
    福島県郡山市 出身。 
    東京理科大学卒。同大学院修了 

    武田薬品工業株式会社にMRとして勤務後、 薬局・病院勤務・人材紹介会社を 経て
    2015 年 株式会社実務薬学総合研究所設立時より参加。
    2020 年より代表 取締役 薬局・病院のBCP策定支援、ロボット事業、教育研修イベン ト事業などを展開。 
    2011 年、東日本大震災時に個人で故郷の福島支援に入ったことが きっかけで災害支援にお ける薬剤師の役割について活動・学会報告 を行うことになった。
    熊本大分地震では埼玉県薬 剤師会所属の公式 派遣にて南阿蘇エリア薬剤師班 11 名の指揮を執ることになった。
    コ ロナ下では教育研修イベントなどが延期になり事業展開を再構築。
    CM・映画・ドラマ撮 影現場において薬剤師の視点より衛生指導など も行っている。
    https://www.facebook.com/yasuhiro.mizu/ 

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    ◯パーソナリティ紹介
    「人生会議」~それは今を大切に生きるための話し合い・・
    栗田千津子
    ブログ:
    kurita-acp.com
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    ゲスト名 ゲスト:株式会社実務薬学総合研究所 代表取締役 水 八寿裕さん
    パーソナリティ 栗田千津子
    公開日 2021/09/19
    過去の放送一覧 栗田千津子の『Let’s人生会議』

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