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2023/08/05【PRi愛媛】第1228回「朴庵例会の風光」(第7回)黒瀬英作の夢を語ろうMy Friendは、「朴庵例会の風光」!!
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第1228回「朴庵例会の風光」(第7回)黒瀬英作の夢を語ろうMy Friendは、「朴庵例会の風光」!!
今日の「朴庵例会の風光」の補足解説です。
私がご縁をいただいた、たくさんの坂村真民先生の出版のなかで、大切な三冊があります。
第一が今日、紹介させていただいた、「自選・坂村真民詩集」(昭和42年2月20日初版)です。
第二が「さかむらしんみんさんの風光」(岩野喜久代著/昭和61年12月20日初版)です。
第三が「一道を行く」(坂村真民生誕100周年記念/平成21年9月25日第一刷)です。
・私自身は、1999年からの真民先生との邂逅として、「朴庵例会」にリアル参加させていただいたご縁から、時代を逆にたどるように親しく拝読させていただました。
今回、格別に紹介したかったのは、日本の国民教育の師父とされる森信三先生による「自選・坂村真民詩集」の序~坂村真民「自選詩集」に寄せて~です。
今日の「朴庵例会の風光」の補足解説です。
私がご縁をいただいた、たくさんの坂村真民先生の出版のなかで、大切な三冊があります。
第一が今日、紹介させていただいた、「自選・坂村真民詩集」(昭和42年2月20日初版)です。
第二が「さかむらしんみんさんの風光」(岩野喜久代著/昭和61年12月20日初版)です。
第三が「一道を行く」(坂村真民生誕100周年記念/平成21年9月25日第一刷)です。
・私自身は、1999年からの真民先生との邂逅として、「朴庵例会」にリアル参加させていただいたご縁から、時代を逆にたどるように親しく拝読させていただました。
今回、格別に紹介したかったのは、日本の国民教育の師父とされる森信三先生による「自選・坂村真民詩集」の序~坂村真民「自選詩集」に寄せて~です。
10分の朗読では語りきれなかった内容もあり、以下に整理補足とさせていただきます。
・坂村真民の詩業の真価が、真に国民一般に知られてその有となるのは、おそらくは、氏が一片の骨となり、さらには一握の灰となってからであろうとは、氏に対する私のかねてからの認識であり評価である。
・第一に彼の詩境があまりにも高朗清澄であって、一般の詩壇に注目している詩の愛好者たちにはそれのもつ真の高さと深さとが容易に把握し難いからである。
・第二には、彼が東都を舞台とするいわゆる「詩壇」と称される特殊圏域とは、全然無縁の道を歩いてこられたからである。
・第三には、氏が宇和島というような一見文化とはほど遠いと思われる地で現世的には高校の一教師として、この世の「生」を生きてこられたからである。
・そこには、「詩」の偉大さを知らないわれらの民族が、真の詩人を遇することの如何に酷薄なるかを、改めて思い知らされるわけである。
・私の察するに、「天」の命じた道をあゆみつつ、齢(よわい)還暦に近づいて、ついに「国民詩人」ともいうべき境涯(きょうがい)に達せられた氏の詩的系譜は、そもそも如何なるものというべきか、私の見解を素直に述べたい。
・氏の詩魂(しこん)は、何よりもまず明治以後不世出の詩人ともいうべき中勘助の流風に養われつつ、ついで「雲」の著者暮鳥の新たなる形態における脱俗に学ぶと共に、さらに八木重吉における宗教的なものをも吸収して、ついに現在われわれの見るような「生」の最高形態における結晶にまで達せられたかと思うのである。
・しかしながら氏を解するのに、単にこのような詩的系譜によって位置づけということは、おそらくは氏に対して礼を失することとなるであろう。何となればわたくしの見るところ、氏の人と詩業とは、如上三人のいずれよりも偉大だからである。では何故わたくしは、このような断定を敢えてするのであろうか。
・その第一は、氏の詩業の根底には、氏のふかい大乗仏教への信がこれを支えているということ。
・そこに如何なる素材が扱われていようと、氏の詩の一々の背後に、そのふかき大乗仏教的信を感知しえない人は、いまだ氏の詩業の真価を知るものとはいい難いであろう。
・第二の特質とは、中共の対日放送において詩としてもっとも多く放送されるのは、他ならぬ彼の詩であって、いわゆるプロレタリア詩人のそれではないというということ。氏において生きている大乗仏教の精神なるものが、単なる旧(ふる)き観念的諦念でなくして、つねに現代における人類最深の苦悩と切り結んでいることを知らしめられるわけである。実際、氏ほどふかく人類が現在陥っている深刻な苦悩に、同悲共感している詩人があるであろうか。
・第三には、点字訳になった詩集が広く人々に周知されている詩人の詩集においても、せいぜい一、二冊であるのに、坂村氏の場合は十数冊に上る全詩集が、かくも点字訳になっていること。氏自身がかつて眼を患われたために常に盲人の味方となっておられるせいもあり、同時に氏の人となりを敬慕して、氏の志業を達成すべく、その労を惜しまずに奉仕する人々が少なからず存在するが故であろうということです。
・以上、わたくしは、坂村氏が中勘助、山村暮鳥、八木重吉というような、いわゆる「国民詩人」の流れに汲みつつ、しかも本質的には、それらの詩人の何(いず)れよりも偉大でであることの一端を瞥見(べっけん)したわけであるが、しかもこのように真に「偉大」というほかない氏の詩業の内包している真価が、ひろく国民一般に認識されるには、今後なおかなりな歳月を要すべく、結局は氏の死後という他ないかと思われる。
・それ故わたくしは、それに備えるために氏に対して、これまでの全詩集を一巻にまとめておかれることの必要を切言(せつげん)して、多少の労をとろうとしていた処へ、はからずも神意は、岩野夫人を通して氏の上にはたらいたといってよく、まことにこの現代という時代において「奇蹟」というコトバの意味するものが如何なるものであるかを、眼のあたり見るとの感が深い。かねてわたくしは、氏の詩業の真価が広く国民の有となるには、氏の没後三、五十年はかかるかと考えていたのであるが、今やこの「自選・坂村真民詩集」の公刊により、おそらくは二十年ほどの短縮が可能になるかと思うのである。
・もしそれ読者諸氏の共感と協力によって、それがさらに早められて、氏の生前にその微光の一端が伺えるとしたら、その慶びはひとり氏一人のためというよりも、むしろ民族そのものにとって一大幸慶(こうけい)というべきであろう。
昭和四十一年晩秋 千里ニュータウンの片隅にて 森信三(もりのぶぞう)
今日も本気で語ります!!
パーソナリティ | 夢を語ろう My Friend【10分番組】 |
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アシスタント | 黒瀬英作さん |
公開日 | 2023/08/05 |
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